ミライを待ちながら
1. 始まりは、いつもダメ
実際に会社を運営していく上で
大きな大きなテーマがあります。
それは、社員さんのお給料。
これが「いわゆる専門家」さんたちの間で、
一種の縄張り争いの状態になっていました。
なぜなら。
「お給料」って、社員さんから見れば
「自分たちの権利」です。
でも、支払う経営者さんの立場からすると、
「単なる会計上の出来事」の一つ。
労働者さんの権利や義務を定める専門家は、
社会保険労務士さん。
でも会計上のことならば、税理士さんの出番でしょう。
つまり「社員さんのお給料」というのは、
ふたつの専門家さんにまたがった領域になるんです。
そのせいで、少し昔・・・悲劇がありました。
社員さんのお給料には、雇用保険だとか
労災保険がくっついています。
その雇用保険や労災保険の掛け金を払っている会社が、
効率よく仕事をしやすいように車を買ったり、
パソコンを何台か導入して仕事の時間を短縮させたとき、
補助金(助成金)がもらえる、という制度が数年前にありました。
こんなことがありました。
あの会社、最近、車を買ったよな~。
きっと国から、お金がもらえるぞ!
ようし、社長さんに教えてあげよう!!
そう思った私、湯浅はさっそくオフィスを訪問。
ところが・・・社長さんは浮かない顔。
「社長、どうされたんですか?」
「いや、湯浅さん。
実は、顧問の税理士の先生から、
『助成金なんて出そうで出ませんで』って
言われたんですわ~。」
「あれ!?おかしいな。
社長さんとよく似た業種の会社で、
最近、助成金もらったお話をよく聞くんですけど!?」
「うう~ん・・。
期待しとったんですよ。
でも・・・。
税理士の・・・”先生”が言うてはることやから、
今回はあきらめますわ・・。」
それがそれが。
後日ちゃんと調べたところ、この社長さんの会社には
お金が給付されることが判明!
しかし、申請の時期をすぎていたため
結局、一円ももらえずじまい。
どうしてこんなことになったのか?