ミライを待ちながら

2. ウソつきは、いい人の顔で

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後日、よくよく事情をさぐってみたところ、
どうやらこのベテラン税理士さんの不勉強が
大きくかかわっていたようでした。

社長に助成金のことを質問され、
よくわからないままに・・。

「たぶん NOですよ。」
と言ったようです。
これ(↑)、歯医者の先生に、眼科の領分を
聞いたのと同じ。

実は、税理士さんの範疇じゃないんですね。
でも、聞かれた以上、
「プロ」としてなにか答えないとメンツにかかわる、
そう考えたのでしょうか?

このセンセイ、「あんまり知らないこと」を
聞かれたときの、お決まりのパターンのことを
言ったみたいです。

一般に「よく知らないもの」を質問されたときに出す答えは・・・

「とりあえず、やめといたら?」 です。

こう答えておけば、自分は恥をかきませんから。

でも。
もらえるはずだった「お金」をもらえなかった、この社長さんの
嘆きと怒りは、どこへぶつければいいのでしょうか?

多いんです。
こういうことが。

世の中を見渡すと、ほんとにいっぱいあるんです。
そして、そのたびに腹が立つんです。

どうして。
「それは僕の範囲じゃありません。」
と言えないのか、と。

この素朴で真剣な怒りを解消するため、
私は自分自身でも資格をとってみることにしました。

自分の仕事である、生命保険の仕事を続けながら、
「もっとも幅広い領域の仕事をこなせる法律資格」と
言われている、【行政書士】の勉強を始めることにしたのです。

とはいえ。
【行政書士】は、「10人受けて、1人しか受からない難関」。

私は、学習時間を確保するため、
仲のよい友人たちに言ってまわりました。

「ごめん! しばらく連絡できないようになるかもしれない。
 資格を取るんだ」

たくさんの友人たちが、それならば仕方ないね、
その分頑張ってね、と応援の言葉をくれたのですが。

一人だけ。
本当に一人だけ。

私に向かって、率直な質問を投げかけた
友人がいました。

「その資格取って、どうするの!?」