たかがメニュー。されどメニュー。

その西宮にある「お好み焼き屋さん」のことは、
いろんな角度から書けるのですが、最初は
『さりげなく食欲をそそるメニュー』の話から。

失礼ながら、そのメニュー表。
大金をかけて制作されたようには、見えません。(ホントに失礼だ!)
めちゃめちゃ上品、というわけでもありません。
(なにしろ庶民の味、お好み焼きですからね!)

と、いうことは、つまり。
盗ませてもらおう、と思えば。
とても盗みやすいノウハウが、満載なんです。

たとえば。
見開きになっているメニュー表を開くと・・。

右上のはしっこ、一番目立つ場所に
「***玉、おすすめ 人気ナンバーワン」と
目を引く赤で記載があり、指さしマークが表記されています。
その指さしマークのほうに視線を移すと
「ボリュームたっぷり!当店自慢の人気玉!!」
と表記が。

わかりやすく太い文字で、「イカ・エビ・スジコン・もち入り」
と「具体的」に使用されている食材の記載があります。

ここは、アメリカではないので(笑)
自分の食べたいものを、自分で決められる人はいない、
という前提でメニューを作成したほうが
人気が上がります。

決めかねているお客さんに、
視線や値段、レイアウトや写真の大きさで
「ほら、これにしておきなさい」と、誘導をかけるのです。

その次に。

一番人気の「***玉」の下に、よく似た商品名の
「**@玉」というメニューを、さきほどの一番人気商品と
同じ大きさの文字、同じ大きさの写真で入れておきます。

少し違うのは、具材が「いか・豚・えび・もやし」と
オーソドックスであること。
そして・・・「当店人気ナンバーワン」という、
赤い文字と指さしマークが入っていないこと。

ちなみに・・。
それ以外の「お好みメニュー」は、
「***玉」と「**@玉」の「4分の1」の大きさの文字と写真で、
隣りのページに、ずらずら記載があるだけです。

さりげなくメニューの豊富さを表示しておきながら。
まず一度 「このオススメにしようかな。いや、でも下のほうの
お好みもいいな」と、選択の基準を与えてあるのです。