銀行員は空気読む。

3. 周囲(まわり)を知ってください

この会社の売上未達の理由は、もう一つありました。
この会社が所属している業界に吹き荒れる、
「ネット直販」の嵐を・・社長が無視して、目標を立てるんです。

ひとつひとつの部署に目標を指示し、
数字達成を厳命するのは社長さんのおシゴト。

しかし、現場に目配りができていないまま
数字、数字、と言い続けると・・社内の空気は
どうなるか?

部下はなんとか目標を守ろうとしています。
現場の空気が変わってきた、ネットが主流になってきまして・・とは
言い出しにくい(弱音を吐いた、と思われる)。
社内の空気が、それを許さない。

その上で管理者の方も。
若い人ほどは「最近の現場」を知りません。

上司は思いつきでものを言う: 橋本 治

上司とは、『現場を離れた人』のことを言う

って皮肉があるぐらいで、
ただでさえ、現場をしらないのが「上司」。

管理側も、なんとなくは最近の現場の変化を感じてはいますが、
それを認めたくはなかったようです。

現実の販売ノウハウではなく、自分が活動していたころの
「昔話と精神論」で、若手を抑え込もうとしました。

若手のほうも、それに反論できませんでした。
あの人は「創業からの経理の神様」だから
あの方は「開発の鬼」だから
だれも、「精神論はオカシイ
と言えない空気。

若手と中堅管理職との溝が深まり、
現場の情報がトップの耳に届きません。

では・・。
社長さんは何を根拠に、
「今期の売上目標」を立てていたのでしょうか!?

これが・・驚くなかれ、
「昨年の実績」!!

つまり。
「去年ここまでいけたから。
 今年もここまで行けるはず」

・・・。

・・・。

ある意味・・・一番の精神論ですな。


こんな形で、「売上目標」を立てるものだから。
この会社さん、毎期、毎期で実績は「下方修正」。

これじゃあ、銀行も本音では信用してくれない。
すぐすぐに【融資】を引き上げられることは
ないでしょうけど・・・これからの時代は、
今までよりもキビシイですからね・・・心配です。