銀行員は空気読む。

4. 銀行員は空気読む。

では。

もし、皆さんが
この会社の社長サンだったとしたら。
どんなところから、改革の手をつけるでしょうか!?

営業の進捗管理?
人事の評価変更??
あるいは・・・
開発の権限移譲かもしれませんね。

もちろん、「これが正解、これがハズレ」ということは
ありませんが、【融資】を受けやすい会社にする、という
観点からいくと、とても大事なことがあります。

それは・・。

「銀行員に『空気』の改善が伝わりやすいところから手をつける」

という点です。


少し解説が必要だと思います。

ご承知の方も多いのですが、
銀行サンの【融資】の審査には、2種類あるんです。

ひとつは、大手の都銀さんや首都圏の地銀さんが主に採用する
「トランザクション・バンキング」。
企業の帳簿をもとに評点付けをして、
「この会社は何点だから貸出OK!」
というスタンスの【融資】です。
公開されている(信用できる)情報に根拠を得て
【融資】が実行されます。

対照的なのが。
おもに地方銀行さんや、信用金庫・信用組合など
地域密着の金融機関が採用している
「リレーション・バンキング」 通称・・・リレバン。

これは、会社の帳簿に加え、企業のトップや役員たち、
そして社員さんなどから
ある企業の情報をメイン行が聞き出し、
それを独占します。(原則、他行に公開しません)
また、そのために普段からの人間的なつきあいを重視する方法です。

【融資】に際しては、支店長の決裁が強い力を持ちますが、
その決済には「担当の銀行員」の書く稟議書が大きな役割を果たします。

地方銀行が「ウチは地域密着・・・顔の見える【融資】をしますよ!」
と宣伝する所以です。


そう・・。

なにも銀行員が聞き出す情報とは、
バランスシートに載るようなことばかりではないのです。

社員さんたちが醸し出す、「空気」。

うちの会社は伸びそうだな!!
この会社は働きやすいな!!

あるいは

この会社はシンドイなぁ・・
え!?営業のエースの○○さん辞めたの? ええ・・!!

なんて「空気」を、予想以上に大事にします。
稟議書を書く前の「色眼鏡」があるとして。

それを
「きれいめに見える色眼鏡」にするか、
「くらいめに決める色眼鏡」にするか、
その判断の材料に使われやすいのが「社内の空気」なのです。

もし、これを読んでくださっているのが、
「社内をホントに変えよう」と決意されている社長さんなら。

頑張って努力した結果が、すぐに銀行員に伝わりやすい部署から
手をつけてみることを、お勧めします。

彼らは・・・思っている以上に素早く、
その変化を支店長さんに報告しますから・・・。

せっかく企業改革をするのなら、
「効果が二重に出る」
ほうがいいですよね!?


いよいよ、次回からは
具体的な【融資】のお話に入ります。

私が頼りにしている青年会計士がいつも
強調している『新規融資で気をつけるポイント』の
お話をお伝えしていきます。

このホームページが、
「ピンチをチャンスに変えるため」
がんばっておられる青年社長のみなさんの、
お役に立てますように!!