経営者は経営者が好きだ

経営者は経営者が好きだ

先程の本では、確かこう結んでいました。

小説家の誰でもいい。

大金をあげるから、小説家をやめてみないか?
と声をかけるといい。

彼らは、にこっと笑って背を向けて。
元いたタイプライターのほうに戻って、原稿を書きだすだろう。

それが彼らの仕事だからだ。

というような意味の文章があり、
「それほど小説家という仕事は、やりがいがある」
と続いていたような気がします。

そして。

どうして後輩の指導や育成をするのですか?
と、よく聞かれる。

同じ業界で、ライバルを増やすだけじゃないですか? 
本当にご自分のノウハウを公開してもいいですか?、と。

その質問に対する答えは、こうだ。

この業界の人間は、私も含めてみな、
本気で後輩の作家を応援したいと考えている。
この業界のすそ野が広がるし、第一、自分自身が
おもしろい作品を読んでみたいのだ。

これ、今思い返してみれば。

【独立】を果たして「自分の会社を軌道にのせた経営者」が、
後輩経営者を応援している心理と、非常に似ている気がします。

会社を経営する・自分の商売を自分で決める、という行為に
誇りを持っている人達に、たくさん会いました。

その人達は、どういうわけか、新米の経営者や、【独立】志向の
若者が大好きで、よく自分の時間を割いて、貴重な
「現場のノウハウ」を伝授していました。

およそ30年前、海の向こうで書かれた「小説家指南書」と
やってること、言ってることがソックリです。

きっと、洋の東西を問わず。時代背景を問わず。
「自分の仕事に誇りを持っている人達」に共通の心理があるのでしょう。

だから・・・

これを読んで下さっている方の中で、
「本物の経営ノウハウが知りたい」と思っている方がいれば、
まずこの小説家のような、
本当に自分の仕事を愛している「本物の経営者に会え」と勧めたい。
彼ら・彼女らの中には、
喜んで「本当の経営」を教えてくれる人がいます。

あきらめないでください。

たった一人、本物の経営者に会えると、そこから「数珠つなぎ式」に、
たくさんの「本物」に会えるから。

類は友を呼ぶ、のは、経営の世界でも事実なのです・・・・

たった一人。
「いい経営者」に会えるだけで、人生は変わる。

その時まで、こつこつ根気よく。
自分の仕事を貫きましょう。

コツコツ、コツコツ。

根気よく、根気よく・・・