今日の記事は、あえて『無題』。

私が大学を卒業して、「新社会人」になった頃。
おじさんと、ゆっくりお話をしたことがあります。

おじさんのお店は、日替わりで
「今日はオバサン(おじさんの奥さん)が出勤する日」
「今日は、パートの方が来てくれて、オバサンがお休みする日」
と決まっていました。

そして。
いつお店に行っても、繁盛ぶりは変わらず。
とくにお昼の時間は、満員御礼です。
しかし、その日の夜。
お店が終わって「仕込み」をする傍らで、
おじさんは意外な話を教えてくれました。

「大ちゃん(私のことです)・・
 わしは最近気がついたんや。
 うちの家内が出勤してる日と、パートの人が来てくれる日。
 売上が全然違うんや・・・」

「え!?そうなん?
 でも、おじさん。あのパートの人も
 すごい一生けん命やってはるやん!?」

「そうやで。
 確かにあの人も、よう頑張ってくれてる。
 それは間違いない・・・

 けどな。
 今ごはん食べてるお客さんの横にいって、
 あと餃子もひと皿いりませんか? 
 あと小ビール一本でもいりませんか?

 そうやって、すすめてるのは、
 やっぱりオバサンのほうなんや。

 せやから、わしらみたいな単価の低い商売で
 きっちり「一日2万円」売上が変わるんやで。」

「・・・。」

「それはな、大ちゃん。残念やけど
 時給で働いてる人と、少しでも『自分の借金』を
 返そうとしてる人の差ぁなんや。」