消費者は「お金はない」「時間は、ある」!!

1986年。
バブル景気のピークに向かって、
世の中が進んでいた頃。

世間の話題を集めたテレビCMが、ありました。
それが、エバラ食品さんの焼き肉のタレ「黄金の味」のCM。
確か、私の記憶では、「大女優がすっぴんでテレビCM出演」
ということでも、話題になったような気がします。

女優の浅茅陽子さんが、生活や育児に疲れた主婦を、
「わずか15秒の間で熱演した」快作です。

スーパーで子供にせがまれながら、
なんとか手短に買い物をすませようとしている主婦(笑顔なし)。
夫らしき人物は、ママの後ろからついていくだけで、
買い物カゴを持ってあげようとはしません。

あるいは、同じCMの別バージョンでは。

我が家の狭いリビングの中で、パッとしない夫や子供に
イライラしながら焼肉準備(笑顔なし)。
ママが忙しく焼肉準備している間も、子供と夫は、
ちゃぶ台テーブルで、なにもせずに待っています。

全体としては、コミカル調ですが、描かれている家族の印象は
どちらかといえば、暗い感じも受けます。

パパが昼間から買い物につきあえる、ということは、
週末の風景なのでしょうが、そこで見える主婦の姿は、
あきらかに疲れている・・・

ただ、子供が「あれ買って~!!これ買って~!!」と言ったり。
移りこむテーブルの食材が、「豪華な肉と野菜のオンパレード」だったり。
「家は狭いが、結構リッチ?」な印象も受けますので、
そこに時代の好景気を読み取ることも、できるのかもしれませせん。

ちなみに。

この数年後の「1991年」。
世がバブルの絶頂期の頃。

エバラ食品さんは、同じ浅茅陽子さん出演で
「朝だ朝だよ~浅漬けの素~♪」
という有名なフレーズをひっさげて、新CMを打ち出します。

このときのコンセプトは「野菜料理が、こんなにカンタン!」
「忙しくても、手を抜かない主婦ってステキ!」
のように思います。

「忙しい」
「料理は時間に追われて作るもの」
「家族のためにオンナが作るもの」
という、暗黙の共通点がまったく同じだったので、
それが印象的でした。

さて・・・