もしも・・・あの時、あの場所で。

それは、ゴールデンウィークの半ば。
5月だというのに、夏のような蒸し暑さで、みんなが少しずつ
イラだっていたとき。

有人ガレージを管理していた、若いガードマンの青年が
大きな声で叫んでいました。

「クルマが通りまーす!
 歩行者の方は、通行ご遠慮くださーい!

 クルマが入りまーす!
 ご注意くださーい!!」

とはいえ。
温泉と観光に、熱中している「オバサマたち」に、
そんな声が届くはずもなく。

青年ガードマンの声が、だんだん尖ってきているのが
誰も目にも明らかでした。

オバサマたちも、少し不満顔。
ナニヨ、どうしてアンタにそんなこと言われなくちゃ
いけないのよ!?
といった気持ちでしょうか・・・。

それにこの蒸し暑さ!
そして、坂道を登る疲労感。

しだいに・・。
緊張感が高まっていたその時!

場の空気を一変させる出来事が、おきました。