常連客作りに失敗した話

開業すると、他のお店に行けなくなる

マスターがポロッと発した一言を、3年たった今も
鮮明に覚えている理由。

それは・・・

同じ駅の周辺の、このお店よりも、
もっともつと立地条件の悪い場所で、
「常連客が通う店」
を、何軒も知っているからです。

同じ立地、もしくは、自分のところよりも、
もっと悪い立地のお店に
「常連客が大勢ついている」
のであれば。

自分たちのお店に足りないのは何だろう?
と思案を始めると思います。

でも!

そのマスターは、その店を始めて
10年以上!

あたり前の話ですが。

自分が開業している時間は、他の店に行って
食事をすることができません。

ましてや、常連さんとなって、

「ああ・・
 結構同じ顔が来ているなぁ・・ 
 あのファミリー、あのサラリーマン。 
 なるほど、なるほど・・。」

など、ひとつのお店を定点観測することも
不可能になります。

そうなんです。

いざ、自分が開業してしまえば、
わが町の「自分以外の店」に、うとくなってしまうのです。

(それが住み慣れた街であっても。
 10年たてば、人も動きます。景気も変わります。
 大きな施設ができれば、それだけで人の動線は
 一変しますから・・)

だから。

だからこそ、そのマスターは
「一見のお客さんの率が、70%ぐらいかなぁ・・♪」
と、悪びれずサラッと言えるのです。

「この街は、飲食の商売が、やりづらい街ですよ!」
と、自信を持って?語れるのです。

そのお店から、歩いて数分の場所に。
常連が集まる飲食店が、いくらもあるのに・・・